2009年3月1日日曜日

バマコにて。

バマコでの様子をすこし書きます。

マリの首都バマコは、人口も100万を軽く超え、高層ビルもにょきにょきしている大都市ですが、近隣諸国の首都に比べてもかなり治安のよい街だと思います。ひとの気質も、総じてはっきりしていて、からっとした印象です。

昨日、街なかの大市場(通称マルシェ・ローズ)へ買い出しに行くことにしました。捕まえたタクシーの運転手さんは仏語が通じない人だったので、「スグバ(大市場)、ドゥグコノ(街なか)」とバンバラ語で行き先を伝えると、「OK、OK!」と頼もしい返事。でも、15分ほどぐんぐん飛ばすと、目的地へ行くには渡るはずのないニジェール川を渡ってしまいました。

わたし「あれ?行き先は街の中心にあるスグバですけど?」運転手「え、川向こうのスグバじゃないの?」
わたし「わたしが行きたいのは、マルシェ・ローズです」運転手「エッ、アッラー!※ 娘さんよ、私は川向こうの市場だと勘違いしてた。申し訳ないね。ちょっと待ってなさい、市場に行く乗り合いバスが通るはずだから、それに乗りなさい」

タクシーでそのまま戻ってもよかったのですが、どうやら運転手さんに来た道を戻る気はなさそう。彼は道ばたにいた見知らぬおじさんに、事情を説明しています。すると、説明を聞いたおじさんがすっと私の腕をとって、車が行き交う4車線の大通りを、器用に渡らせてくれます。

そして、やってきた乗り合いミニ・バス(スートラマ)を止めて乗せてくれました。ミニ・バスの若い車掌くんに「この子が大市場に行きたいそうだ」と言い伝えるのも忘れずに。おかげで、ミニ・バスが市場付近に着くと、車掌くんはわざわざバスを降りて、「このバスは市場までは行かないけど、あっちの方向に市場がある。見えるだろ?歩いてすぐだ」と示してくれます。

さらに、同じところでバスを降りた一見ぶっきらぼうなおばさんが、「私も市場に行くのよ」と独り言のように言いながら、さりげなく私を案内してくれます。おばさんは市場につくと、「じゃぁね、シノワ・ムソ(中国娘、私のこと)」と言い残し、去っていきました。


もちろんなかには冷たい人もいますが、マリの人には、こうした機敏な世話焼きさんが多いように思います。
気遣いの丁寧さや篤さでいえば、日本の人の方が断然上でしょう。でも、人を助けるときの「機動力」の高さ、軽やかさ、さっぱり感は、マリの人のとても素敵な優れたところだと思います。

誰かが困っていれば、助けられる人が、できる範囲でサクっと手伝う。それが普通だから、助けられたほうも、長々と謝辞を述べたりしません。「ありがとう」の一言で済み、さっきまでいた、にわかに結成された
お助け隊は、何事もなかったように散っていきます。

そんなマリの首都、バマコです。

※ マリ人の大半はムスリムなので、英仏のOh, my God!/Oh, mon Dieu!はEh, Allah!となり、「えっ!?あら!」という日本語の響きと似ています。面白いです。

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