2009年10月30日金曜日

しゃんとしたひと。

月曜日に、また、お隣さんをうしなってしまいました。わたしがジェンネでいちばん慕って信頼していた女性クンバです。だんなさんが亡くなって一ヶ月半で、彼女も逝ってしまいました。まだ40前くらい。まだまだ若いのに。おうちで寝込みはじめて2週間で、みるみる元気がなくなっていって、あっというまでした。病名は分かりません。

清貧で謙虚で、曲がったことが大嫌いで、しゃんとした人でした。フィールドでお隣さんだったから特別にかんじるのではなく、これまでのわたしの人生でも、こんなに信頼できるきちんとした人に出会ったことは、とても少ない。にひひっ、と照れ笑いすると、ふだんのちょっと険しい表情とのギャップもあいまって、見とれてしまうくらいかわいかった。大好きな女性でした。

ここ数日、彼女のことばかり思い出されます。生前の彼女はよく、考えごとをして止まっているわたしを、ちょっと離れたところからじぃっと見てきた。わたしがその視線に気づいて「ん?」と彼女のほうを見ると、彼女はふっと目をそらします。そして、お米をといだり薪を割る作業に戻って、何気ないかんじで、「ミク、いま止まってたでしょ?」と、くすっと笑ってきました。楽しいこともたくさんだけど、いろいろと苦労のたえないここでの生活で、彼女の静かな気遣いにどれだけ助けてもらったか。――あぁ悲しいなあ。

もっと悲しくてたいへんなのは、お父さんとお母さんを相次いでなくした子どもたちだと思います。マリでは早くに両親をなくすケースはそれほどめずらしくありませんが、クンバの子どもたちも、どうか頑張ってほしいです。

彼女に怒られないように、めそめそ泣くのはやめて、しっかり調査・勉強をつづけたいと思います。こんなに悲しいのは久しぶりです。ほんとうにステキな人と会えたことを、彼女たちの神さまに感謝しようと思います。

5 件のコメント:

  1. クンバさんって「クス・イジェ」白い粉のクンバさんよね?なんてこと。遠くから、私もお祈りします。

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  2. > wknぽ

    そう、そのクンバ姐さん。本当に大好きで尊敬しとった女性やったけん、信じられんでねぇ…。

    彼女の不調にはやく気づいてあげればよかったなぁとか、しんどいならしんどいって我慢せんで言ってくれればよかったのに、とか、いろんなこと考えてしまうよ。

    でも、めそめそせずにがんばらなねー。ほんと、ここでは人の生き死にが身近です。

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  3. やまだまゆ2009年11月2日 0:13

    ミクさんこんばんは。
    長らくお久し振りです。
    覚えてくれてると嬉しいです^^

    生きているものにはいつか終わりがくるけれど、
    やはりさみしくて、胸がきゅうってなります。

    クンバさんのご冥福をお祈りしてます。


    いつかミクさんとゆっくりお話してみたいですー

    日本では最近一気に冷え込んできました。
    ミクさんも身体に気をつけてくださいね^^

    では。

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  4. とにかく、無事に帰ってきなされ。

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  5. >まゆさん

    ちょっとジェンネを離れていたので、返事が遅れました。覚えてますよー、福岡のまゆさん。

    ありがとう。わたしもからだに気をつけてがんばろうと思います。

    >ryomaくん

    はい了解。いろいろありますが、特に健康にはとても気をつけているし、元気です。

    マリには90歳100歳を超える人もたくさんおるけん、なんでこんな若い彼女が、って気持ちも強いけど、こればっかりはほんと、こっちの人の言う「人の命は神さまの手のなか」って感じかなぁ。

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