2009年4月19日日曜日

Dimanche à Bamako

今日のブログのタイトル、日本語に訳せば「バマコでの日曜日」。ただ今、ビザの手続きなどのため首都バマコに来ています。まさに、バマコでの日曜日、です。

車がほとんどない静かなジェンネに暮らしていると、久々の首都の喧騒と活気に、びくびくどきどき。そのせいか、すこし疲れ気味です。

"Dimanche à Bamako" これは、Amadou et Mariamというマリ人ミュージシャンのアルバム・タイトルでもあります。夫婦のユニットです。目が不自由なので、二人ともサングラスをかけて、スティービー・ワンダーみたいな感じですこし天を仰いで歌います。マリのみならず、他の西アフリカ諸国やフランスなどの外国でも売れた、2005年の彼らの大ヒット・アルバムです。

そのなかに入っているJe pense à toi (君を想う)という曲が好きです。

これぞマリ訛りのフランス語!という感じの、よい意味で垢抜けていない、くっきりとしてやさしい響きのフランス語で歌われています。なじみのない人が聞いたら、フランス語だと気づかないかもしれません。

Amadou et Mariam "Je pense à toi"



リズムはしっとりシンプル。歌詞は、所謂べたべたのラブソング。「あぁ寝ても覚めても君のことを想っています、わたしの愛しい人よ」といった内容です。くどいくらいの恋慕、潔いまでのシンプルさ。でも、そのシンプルさのなかに凝縮されたえもいわれぬ哀愁が、なんだかいい感じなのです。

ただこの曲、日本で何気なく聴いても、いまいちしっくりきません。なにやら話題のマリの音楽、ということで日本でこのアルバムを買ったとき、この曲のもたっとしたくどさに「うっ…」となり、すかさずスキップ・ボタンを押しました。現にいま、首都のエアコンの効いた快適なホテルのなかでパソコンを打ちながら聴いても、ぴんときません。(だから今はPortisheadがBGM)

「いかにもマリ!」な歌は、「いかにもマリ!」な環境で聴いてこそ、一番、私の耳に、感覚に、映えるのです。この曲Je pense à toi を聴くのにぴったりな環境をお奨めします。

今の季節は暑いので、ジェンネの人は夜には比較的涼しい屋外で眠ります。わたしもジェンネの自宅では、屋上でござを敷いて眠っています。しーしーしーと虫が鳴き、夜鳴きの赤ちゃんがお母さんを困らせているのが
聞こえます。夜更かしの若い男の子たちが、路地にイスを並べて涼んでいるのが見えます。月明かりは、本が読めてしまうくらい煌々。そして私は、とっても疲れているはずなのに、考え事をしていたら、なんだかうまく眠れなくなってしまったな・・・

そういうときにAmadou et MariamのJe pense à toi聴く。これです。こうして聴くと、「うっ…」どころか、すっと馴染んで、とても好い。

でもこれは、日本ではなかなか再現できない環境です。

日本でなら、そうだな、夜お仕事を終えて疲れて帰ってきて、ひとりでちょっと晩酌しながらでも聞いてみてください。過剰に多弁なテレビなどぷちっと切って、窓を開けて、できればベランダに足を投げ出すなどして、のんびりどうぞ。日本でだと、しんみりと雨が降っていても、いい感じかもしれません。

それでも「うっ…」と来る方は、いつの日かマリにいらしたときに、ジェンネで再チャレンジしてみてください。

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