2009年12月7日月曜日

マリのジャカルタ、デザインは日本。Jakarta in Mali, designed in Japan?

所用のため、ジェンネから首都バマコに来ています。

いやぁ、バマコ、バイクが多い。これはバマコにかぎらずマリ全体で言えることですが、バイクがとても多い。ここ数年で一気に増えました。しかも、ほとんどのバイクが同じものです。その名も「ジャカルタ」。

ジャカルタは、マリで大量に販売されている中国製のバイク。車体には「Super K」と書いてあるので、おそらくそれが本当の商品名です。でもマリではなぜか「ジャカルタ」と呼ばれています。いわゆるスクーター・タイプの50CCバイクです。バマコの街はジャカルタだらけ。車体の色こそちょっとずつ違えど、バマコで見かける二輪の9割以上がジャカルタといっても過言ではありません。



首都バマコのある道路。ちなみにこの写真に写りこんでいるバイクのすべてがジャカルタです。

マリでは昨年までバイク所持のための登録・免許が不要だったので、マリ国内のバイク台数の正確な数字はわかりません。(今年にはいって免許・ナンバープレート・ヘルメット着用が義務づけられたけど、守っている人はごくごく少数です。)マリの新聞Le Républicain紙の推定によると、マリ国内にある50万台のバイクのうち、30万台がこのジャカルタであろう、とのこと。ここで言われている「バイク」にはもっと大型のものも含まれていると思うので、50CCのスクーターでは、おそらくほぼ100%がジャカルタだと思います。「そんな大げさな」とお思いのあなた、マリに来たら納得よ。ジャカルタ以外のバイクを見つけることは至難のわざというくらい、ジャカルタ一色なのです。

このジャカルタ、わたしが2004年に初めてマリに来たときには一台も見かけませんでした。そもそもこんなにバイクが多くなかった。そして2007年にやってきてびっくり。バイクの台数が目に見えて増えていたうえに、よく見りゃみんなのバイク、おそろいじゃん ! バマコの人びとに聞くと、ジャカルタがマリにはいってきたのは2005年ごろ。25万CFA(5万円くらい)から買える手軽さから、たった数年で爆発的に増えたそうです。ちなみにマリ政府の発表によると、2007年のバイクの輸入額は前年比33%増とのこと。もりもり伸びてます。

それにしても、なんで「ジャカルタ」なのかしら。おそらく、中国の会社がバイクを売り込むときに、英語のありふれた商品名よりもキャッチーな呼び方を、ということで、このタイプのバイクが多そうな都市ジャカルタの名をつけた、と考えられます。以前、マリのテレビでアジアの都市についての番組があっていて、近所の皆さんとぼぅっと見ていました。「インドネシアの首都、ジャカルタ・・・」というナレーションが流れたとき、皆さんが「 ジャカルタ だって !バイクみたいな名前の街だね~」とケラケラ笑っていました。「いやいや皆さん、あっちが本家本元です」と説明するも、マリでは都市名ジャカルタの認知度よりもバイクのジャカルタの認知度の方が圧倒的に高く、みなさん納得してくれませんでした。

ジャカルタはどこの会社がつくっているんだろう、と、友人のジャカルタをまじまじ見ますと、エンジンのうえのほうに「Designed in Japan」の文字が。ほかに国名は記されていません。唯一車体に書いてある国名がJapanなので、ジャカルタを日本製品だと思っている皆さんも多いようです。うーん、それなら素直に「Made in Japan」と書くはず。「日本でデザイン」て…。

ジャカルタはお手ごろ価格ですが、びっくりするほどの頻度で故障します。街角のバイク修理屋さんは大繁盛。また、手軽にバイクが手に入るようになったうえに免許いらず(本当は要るけど)ので、事故も頻発。バマコの車道でジャカルタがひっくり返っているさまを見かけない日はありません。皆さんノーヘルでかなりアグレッシヴな運転をしています。バマコの街をいくときには、巻き込まれやしないかと、ビクビクドキドキ。都会は苦手です。

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